公共下水道工事費用の相場と内訳を解説
公共下水道が整備された地域にお住まいの場合、いずれは自宅の排水設備を公共下水道に接続する工事が必要になります。この下水道接続工事には、どれくらいの費用がかかるのか、多くの方が気になるところでしょう。下水道工事の費用は、個々の住宅の状況によって大きく変動するため一概には言えませんが、いくつかの要素によって構成されています。まず、最も大きな割合を占めるのが「屋外排水設備工事」の費用です。これは、宅地内の排水管(トイレ、キッチン、風呂などからの排水を集める管)を公共マス(道路に埋設された公共下水道本管に接続するための接続点)まで配管する工事を指します。この費用は、公共マスから建物までの距離、配管経路の複雑さ、地面の掘削範囲や深さ、コンクリートやアスファルトの解体・復旧の有無などによって大きく変わります。一般的に、配管距離が長く、障害物が多いほど費用は高くなる傾向があります。一般的な戸建て住宅の場合、この屋外排水設備工事だけで30万円から60万円程度が相場と言われています。次に、「屋内排水設備工事」の費用がかかる場合があります。これは、既存の排水管の勾配が悪かったり、老朽化していたりする場合に、屋内配管の改修や交換を行う工事です。必要となるケースは限定的ですが、行う場合は追加で費用が発生します。さらに、浄化槽を使用していた場合は、その「浄化槽の撤去または転用」に関する費用も必要です。浄化槽を完全に撤去する場合は、掘り起こして処分する費用がかかります。清掃して砂などを詰めて埋め戻す「埋め戻し」や、雨水貯留槽として再利用する「転用」という方法もあり、撤去に比べて費用を抑えられる場合がありますが、自治体によって基準が異なるため確認が必要です。これらの工事費用の他に、設計費、諸経費、自治体への申請手数料なども含まれます。信頼できる業者を選ぶためには、必ず複数の指定工事店から見積もりを取り、工事内容と費用の内訳を詳細に比較検討することが重要です。不明な点は納得いくまで質問し、書面で契約を交わすようにしましょう。