「まさか、うちが断水するなんて」。テレビのニュースで遠い出来事のように感じていた断水が、ある日突然、私の住む地域を襲いました。富士見市で交換するとトイレつまりにも排水管をリフォームで飲み水は備蓄がありましたが、すぐに困ったのがトイレです。普段は当たり前のようにレバーを引けば流れる水が止まってしまい、どうすればいいのか途方に暮れました。その時、友人から「ペットボトルで流せるよ」と教えてもらい、半信半疑ながら試してみた経験があります。あの時のペットボトルの頼もしさは忘れられません。 断水時、なぜペットボトルでトイレが流せるのでしょうか?それは、普段のトイレがタンクに貯めた水を一気に便器に流し込むことで生まれる「水の勢い」を利用して汚物を排水管へ押し出しているからです。断水中はこの機能が使えませんが、ペットボトルを使って手動でこの「勢い」を再現するのです。ペットボトル以外にも、バケツや鍋など、ある程度の容量がある容器なら何でも代用できますが、飲み水のストックがあればペットボトルが手軽に使えます。 実際にやってみた流し方はこうです。まず、2リットルのペットボトルに水を満タンに入れます。インターネットの情報では「一度に4リットル程度が目安」とあったので、2リットルボトルを2本用意しました。そして、この水を便器の、常に水が溜まっている部分(封水と言います)めがけて、できるだけ高い位置から、ためらわずに「エイッ!」と一気に、勢いよく注ぎ込むのです。便器のフチからチョロチョロと水を回し入れても、残念ながらほとんど流れませんでした。ポイントは、溜水部分にめがけて水の塊を勢いよく落とし込むこと。そうすると、水の勢いが便器内の空気を押し出し、サイフォンの原理のようなものが働いて、汚物が排水管へと引き込まれていくのが見えました。 一度でうまくいかない場合もあるので、最初は少ない量で試しながら、どれくらいの量と勢いが必要か感覚をつかむのが良いかもしれません。私の場合は、2リットルを2本、続けて一気に流すことで、しっかりと汚物を流すことができました。もし2リットルボトルがなければ、500mlボトルを複数本用意するか、大きめのバケツを使った方が効率的です。ただし、水を入れたバケツはかなり重くなるので、腰などを痛めないように注意が必要です。 この方法でトイレを流す際に、最も気をつけなければならないと実感したのが、トイレットペーパーの扱いです。普段のように大量のトイレットペーパーを一緒に流してしまうと、水量が少ないため排水管の途中で詰まってしまう可能性が非常に高いです。断水時は、汚物だけを流すことを基本とし、使用済みのトイレットペーパーは別のビニール袋などにまとめて入れ、水が使えるようになったらまとめて捨てるようにするのが賢明です。また、勢いよく水を注ぐことに意識が向きすぎて、便器を傷つけたり、水が飛び散ったりしないよう、落ち着いて慎重に行うことも大切です。 断水はいつ起こるか分かりません。あの時の経験から、日頃から飲料水とは別に、トイレや手洗い、簡単な洗い物などに使える生活用水を、大きめのポリタンクなどに備蓄しておくことの重要性を痛感しました。ペットボトルを使ったトイレの流し方はあくまで一時的な対処法ですが、いざという時に知っているだけで心の準備ができて、冷静に対応できるようになります。そして、再び水道水が使えるようになったとき、普段何気なく使っている水の貴重さを改めて感じ、節水を心がける良いきっかけにもなりました。
断水時に役立つペットボトルを使ったトイレの流し方体験談