経営者が痛感グリストラップ詰まりコストとの戦い

飲食店を経営する上で、グリストラップの維持管理は、目立たないながらも非常に重要な業務の一つです。これを怠ると、単に不衛生になるだけでなく、予期せぬ高額な出費や、最悪の場合、営業停止という事態を招きかねません。私自身、過去にその恐ろしさを身をもって体験しました。開業して数年、日々の忙しさにかまけて、グリストラップの本格的な清掃を怠っていました。スタッフ任せにしていた部分もあり、正直なところ、その重要性に対する認識が甘かったのです。そしてある日、厨房の排水が完全に停止。グリストラップは汚泥と固化した油で満杯になり、専門業者を緊急で手配するしかありませんでした。提示された詰まり解消の料金は、私の予想をはるかに超えるものでした。通常の清掃料金に加え、緊急対応費、そして固着した油脂を除去するための特殊作業費などが加算され、かなりの金額になりました。さらに、作業中は厨房の一部が使えず、一時的にメニューを制限せざるを得なくなり、売上にも影響が出ました。この苦い経験から、グリストラップの管理コストに対する考え方を根本的に改めました。詰まってから支払う高額な料金は、単なる修繕費ではなく、経営上の大きなリスクであると認識したのです。それ以降、スタッフ全員にグリストラップの仕組みと清掃の重要性を徹底的に教育し、日々の清掃手順をマニュアル化しました。そして、専門業者と年間契約を結び、定期的なプロの清掃を導入しました。もちろん、定期清掃にも費用はかかります。しかし、これは突発的な高額出費を防ぎ、衛生環境を維持し、結果的に安心して営業を続けるための「投資」だと考えています。グリストラップの詰まりは、単なる設備トラブルではありません。それは経営そのものに関わるコストの問題であり、予防こそが最大のコスト削減策なのです。