厨房日誌グリストラップ詰まり予防と費用節約
うちの店の厨房裏には、縁の下の力持ち、グリストラップが鎮座している。正直、見た目は良くないし、臭いも気になる存在だ。開店当初は、その重要性をあまり理解しておらず、日々の掃除もバスケットのゴミを捨てる程度で、本格的な清掃は後回しにしていた。すると案の定、ある日突然、排水が流れなくなり、床に水が溢れ出した。慌てて業者を呼んで清掃してもらったが、緊急対応ということもあり、かなりの費用がかかってしまった。あの時の痛い出費と、営業を一時ストップしかけた冷や汗は忘れられない。それ以来、私は心を入れ替え、グリストラップの清掃を日々のルーティンに組み込んだ。まず、毎日営業終了後に、バスケットに溜まった大きな食材カスを必ず取り除く。そして、週に一度は、浮いている油脂分を専用の網やひしゃくで丁寧にすくい取る。さらに月に一度は、底に沈殿した汚泥を、柄の長いスコップを使ってできる限り掻き出すようにしている。もちろん、これだけで完璧とは言えないし、専門業者のような徹底的な清掃はできない。だから、半年に一度はプロにお願いして、高圧洗浄などでリフレッシュしてもらっている。それでも、日々の地道な清掃を続けることで、業者の作業時間も短縮され、定期清巣の料金も以前より抑えられている実感がある。何より、詰まりの心配なく、安心して厨房に立てるのが大きい。グリストラップの詰まり解消料金は、決して安くない。でも、その費用は、日々の少しの手間を惜しまなければ、確実に節約できるものだ。詰まってから慌てて大金を払うか、日々の清掃で予防し、トータルコストを抑えるか。答えは明白だ。今日も営業終了後、私はゴム手袋をはめ、厨房裏へと向かう。これも大事な仕事の一部なのだ。