洗濯機の底からの水漏れトラブルにおいて、最も頻度が高く、そして最も疑うべき容疑者、それが「排水ホース」です。洗濯で使われた、汚れた水を、家の排水設備へと送り出す、この地味な蛇腹状のホース。その接続や状態に、何らかの異常が生じることで、洗濯機は、静かに、しかし確実に、床を水浸しにしていきます。排水ホースが原因となる水漏れには、いくつかの典型的なパターンがあります。その原因と対策を知っておくことは、トラブルの早期発見と、予防に繋がります。まず、最も多く、そして最も単純な原因が、「ホースの接続部分の緩みや、外れ」です。洗濯機本体とホースを繋ぐ部分のバンドが、長年の振動で緩んでしまったり、あるいは、床の排水口に、ホースの先端が、ただ差し込んであるだけで、きちんと固定されていなかったりする場合。洗濯やすすぎの際に、勢いよく排出される水の圧力で、ホースが外れ、排水が床に溢れ出してしまいます。対策としては、定期的に、接続部分のバンドが緩んでいないかを確認し、排水口との接続部分には、専用の接着剤や、防水テープを使って、ホースが抜けないように、しっかりと固定することが有効です。次に、考えられるのが、「ホースそのものの劣化や、破損」です。プラスチック製の排水ホースは、長年使用していると、紫外線や、洗剤の影響で、徐々に硬化し、脆くなっていきます。その状態で、洗濯機の振動が繰り返し加わることで、蛇腹の谷間の部分などに、亀裂や、小さな穴が開いてしまうのです。最初は、ポタポタと滴る程度の、ごく僅かな水漏れでも、放置すれば、やがて亀裂は広がり、大量の水漏れへと発展します。定期的に、ホース全体を触ってみて、異常に硬くなっている部分や、ひび割れがないかを確認し、もし異常が見られたら、完全に破損してしまう前に、早めに新しいホースと交換するのが賢明です。そして、三つ目の原因が、「ホース内部の詰まり」です。洗濯で出る糸くずや、髪の毛、あるいは、ポケットに入れっぱなしにしていたティッシュペーパーなどが、徐々にホースの内部に蓄積し、水の通り道を塞いでしまいます。すると、行き場を失った排水が、圧力に負けて、洗濯機本体との接続部分など、最も弱い部分から逆流し、溢れ出してくるのです。これを防ぐためには、洗濯槽の糸くずフィルターを、こまめに掃除することが、何よりも重要です。